年次報告史料のコンピュータ動態解析による二十世紀初頭バイエルン農村社会の構造分析
Project/Area Number |
11710208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
箱山 健一 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (40290712)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ドイツ史 / バイエルン / 西洋経済史 / ゲノッセンシャフト / Genossenschaft / 信用組合 / ライフアイゼン / 農業信用 / GENOSSENSCHAFT |
Research Abstract |
当研究は、ドイツ農業信用組合、いわゆるライフアイゼンバンクの創業期の業務実態を数量的に特定する比較実証研究である。当研究では、物流の側面に視角を限定して、二十世紀初頭バイエルンの農業団体間で交わされた物流の全量の動態的把握を課題とした。この課題を遂行するために、バイエルン全土でもっとも畑作に特化したニーダーバイエルン県に対象を限定して、年次報告史料を基に、信用組合226行、酪農組合21団体、農事倉庫16施設のデータを入力した。このデータをデジタル地形図の上にマッピングし、最終的に各団体間の物流相関図を得た。研究の結果、以下の諸点が明らかとなった。1)創設期の組合は食用穀物の流通過程に殆ど寄与していないこと。むしろ、組合は穀物商人に施設利用の便益を供与して手数料収入を得ているから、穀物商人の穀物買上に対抗して組合独自の物流機構が形成されたとする通説は支持できないこと、2)反対に、農業生産財の物流、とりわけ種子と肥料の流通においては、組合による供給独占が、組合創設当初から既に貫徹していること、よって、組合の物流機構は、農村「からの」農産物流通のために造られたのでなく、農村「への」資材流通を組織して成立したこと。このことは、農業における物流の組織化が、資材自給型農業技術体系から化成肥料を用いた直接施肥法に特徴をもつ資材購買型農業技術体系への技術体系転換に対応した、当該期農業経済の構造転換の一側面に他ならなかったことを示唆している。助成初年度において、研究成果を全国学会での自由論題報告で発表し、助成二年度において、学術論文をまとめた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)