Project/Area Number |
11710291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
松井 理直 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 講師 (00273714)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 形態素 / 音韻カテゴリー / 経済性 / 言語獲得 / HPSG / 動詞形態素 / 音韻獲得 / 制約 / phonon / カテゴリー論 / プロトタイプ / 運動知覚モデル |
Research Abstract |
本研究は、幼児の言語獲得過程の諸相を明らかにするために、特に文の中心的な要素となる、動詞および動詞後続形の形態素獲得に注目し、そこに働いている音韻的・意味的制約の性質、および獲得過程におけるこれらの性質の変化を解明しようとするものである。 本研究の成果は以下の通りである。 (1)動詞形態素の獲得の意味的な側面に関しては、月年齢よりも、過去形の概念獲得時期が重要である。過去形の獲得以前には、形態素の複合的な使用が生産的に行われることはほとんどないが、獲得以後は、生産的な形態素の使用が徐々に可能となっていくようである。 (2)形態素の獲得に必要不可欠な音韻カテゴリーに関しては、プロトタイプ的な性質を持った心的表象を考慮する必要がある。幼児のスピーチエラーに見られる極端な偏りは、心的表象とそれを解釈する認知機構とのインターフェース部に起因すると考えるのが、最も妥当な解釈であると思われる。 (3)産出と知覚の間には確かに不整合が存在するが、この非対称性は必ずしも知識レベルで仮定されなくてもよい(運用レベルの非対称性を仮定しても説明可能である)。 以上の点は、HPSGに代表される語意主義の文法理論によって形式化することが可能である。特にその際、音韻のプロトタイプカテゴリーを導入することが有効であると思われる。 また、本研究の被験者であった幼児2名のデータに関しては、ビデオおよび音声データを含め、CD-ROMの形式で、関係者に配布済みである。ただし、プライバシーの関係上、一般に公開することはできていない。この点に関しては、プライバシーに無関係な部分に関してのみ公開することを検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)