政権交代と転換期の代表民主制-比較憲法的アプローチ
Project/Area Number |
11720008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
只野 雅人 一橋大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90258278)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 代表制 / 政党 / 選拳制度 / 二院制 / 政権交代 / 選挙制度 / 議会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フランス、イギリス、ドイツなどを素材に、政権交代が代表民主制や憲法の機能・構造に及ぼす影響を、選挙制度、政党システム、議員と有権者の関係といった視点から検討し、日本における代表民主政の問題状況をも念頭に置きつつ、代表民主政をめぐる基礎理論の構築を目指すことであった。 1年目は専らフランスに焦点を絞り、資料の収集と分析につとめ、基本的な問題の所在をさぐった。具体的には、1997年の政権交代がもたらした保革共存政権や、その下で進められている代表民主制の機能と直接関わる一連の制度改革議論(兼職制限、元老院選挙制度の改革、大統領任期の短縮等)につき、検討を進めた。また政権交代の影響が顕著に表れる二院制についても、他の欧米諸国との比較を交え検討した。 こうした検討を進める過程で、先ず何より代表制に関する基礎理論を固める必要性を痛感するに至った。そのため2年目は、予定を一部変更し、ヨーロッパ諸国の状況を視野に入れながらも、主としてフランスにおける議論をベースに、人口比例主義により選ばれた議会の多数派による意思決定と社会の中に存在する多様な利益やアイデンティティーの表明をいかに調和させるのか、そこでの政党や第二院の役割はどのようなものか、といった視点から代表制に関する議論の整理を試みた。等質性原理・多数決と多様性原理の調和という観点から、選挙制度、政党、二院制などを代表制の中に位置づけるという問題設定は、日本国憲法における代表制の理論形成、更に社会の変動の中で転換期にある日本の代表民主制の検討に際しても、有益な示唆を含むものと考えている。 すでに研究成果の一部を公表しているが、日本の問題状況をも念頭に置きつつ、2001年度中には全体の成果をまとめる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)