会社法の経済分析-企業金融をめぐる諸ルールを中心に
Project/Area Number |
11720024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 友敬 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (80209064)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 企業金融 / コーポレート・ファイナンス / 証券 / 会社法 / 商法 / トラッキング・ストック |
Research Abstract |
近時の証券設計(security design)をめぐるファイナンス文献を手がかりに,各種の資金調達手段の選択が,キャッシュ・フローとコントロールをいかに組み合わせるべきかという問題であるという基本的な視点を得た.このような視点から,現行法の諸ルールを検討した結果,(1)原則として株主に議決権を割振った上で,債務超過と同時に企業のコントロールが債権者に移る仕組み,(2)株主間では1株1議決権とする仕組み,(3)経営者に株主に対する包括的な信認義務を課す仕組み等は,不完備契約を前提とする近時のファイナンスとおおむね整合的であることが確認された.他方,(1)現行商法の種類株の規制は,当事者がキャッシュ・フローとコントロールを望ましい形で組み合わせる可能性を不当に阻害していること,(2)転換社債・新株引受権附社債については,発行段階の既存株主利害調整がきちんと働かない仕組みとなっていることが分かった.さらに,(3)近時話題となっているトラッキング・ストックについても,現行法では,(たとえばアメリカ法であれば可能な)発行後のエクイティ・ホルダー間の利害調整が困難であることが分かった.さらにまた配当・自己株式取得といった分配の問題も,ファイナンスに関する決定であるという視点から,現行法のルールを見直した.その結果,(1)分配の問題を株主総会決議事項としていること,(2)株主間の利益移転の問題について資金調達の場合よりもかなり厳格に対処していることの2点について,見直す必要があるのではないかという結論を得た.そして,こういった現行法の問題点について,いくつかの立法論・解釈論的な具体的提言が得られた.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)