ヨーロッパ統合における補完性原理の研究-ポスト・ナショナルな政治思想の可能性-
Project/Area Number |
11720041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 乾 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00281775)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 補完性原理 / サブシディアリティ / ヨーロッパ統合 / 民主主義 / 連邦 / ポスト・ナショナル / EU / 市民権 / 欧州統合 / 市民社会 / ヨーロッパ連合 / 国際統合 |
Research Abstract |
本研究は、1993年施行のマーストリヒト条約によって、いわばヨーロッパ連合(EU)の「立憲原理」となった補完性(サブシディアリティ)原理の分析をつうじて、ナショナルの枠と伝統的に結びついてきた政治学的諸概念を批判的に再検討し、ポスト・ナショナルな政治思想の在り方を探ることを目的とした。 この作業は、根本的には、民主主義・市民権・公共性といった政治学の基本概念を多層的政体の中に位置づけ直し、そのことによって、それらを長らく呪縛しつづけたナショナルな枠から解放するという意味を持っている。 まず平成11年度の前期(4-9月)では、民主主義理論や社会契約説に焦点を当て、いかなる意味でこれらがナショナルな枠に縛られてきたのか、あるいはそれを補強してきたのかを明らかにし、後期(10-3月)では、ナショナルな枠を前提としなかった、ないしはそれに対し対抗的であった思想家を取りあげ、対極にある思想軸を明示化した。そして、これらの理論家を取り上げながら、「補完性原理とその敵たち」というタイトルでラフな英文草稿を仕上げ、国際会議で発表した。 平成12年度は、この成果をさらに進化拡大させ、英文著作の草稿を書きためることに専念した。またその際、従来の国際政治・ヨーロッパ政治研究者と異なる思想史系の先学との研究打ち合わせを札幌以外の土地で重ねることで、研究成果の含意の広さに気づかされ、その提示の方法に工夫をすることが可能になった。これらを近い(1年)内に完成させる予定の英文著作に取り入れたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)