Project/Area Number |
11730041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
平井 進 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (30301964)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 経済史 / 農業史 / 社会史 / ドイツ史 / 村落史 / 人口 / 救貧 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度ドイツにおいて調査・収集した史料を分析の上、時期を二つに分けてそれを基に論文を作成した。 (1)「三月前期の大衆窮乏と定住・結婚規制-オスナブリュック地方を中心に」:近世における下層人口増加の結果である高度な身分階層分化を継承したオスナブリュク地方にとって、1827年にこの地でも導入された定住・結婚規制がいかなる社会的意味をもったのかという問題を、下層民に対する定住管理をめぐる諸関係という観点から考察した。その結果、定住・結婚規制は、村落団体・領邦国家による下層民の定住=世帯形成の公認制度であったこと、村落団体の基底的な規制行動を領邦国家が上から監督・制約するという二重の管理システムが形成されたこと、しかし、下層世帯を受け入れる個々の農民たちを統制できず、貧困下層民世帯の増加にはほとんど無力であったことが、解明された。(2)三月革命期・反動期の考察も行った。「三月革命と定住管理-1848年法を中心に」:1840年代における地域における農民たちの自主的な動き、そして三月革命期における下層民たちの騒擾・請願活動を前提としつつ、領邦国家の立法(1848年法)が成立した。同法は、1827年の定住・結婚規制法を補完し、定住管理の修正という意味をもち、領邦国家の後見・監督の下で村落団体が個々の農民たちの下層世帯受け入れを監視・統制するというシステムが確立し、この下で下層世帯の経済基盤の再農業化が強制された。このシステムの確立は、北西ドイツにおける一つの典型である同地方における、下層民管理における農民身分の旧い自律性が廃棄され、社会国家の一部としての近代村落自治が確立したことを意味すると考えられる。 (1)については圧縮の上、(2)については若干の論点に関して事例分析を追加して、来年度に学会誌に投稿したい。
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