戦後日本の高度経済成長と消費社会の発展-化学品と家電製品を中心に
Project/Area Number |
11730046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
石井 晋 学習院大学, 経済学部, 助教授 (90296418)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 消費社会 / 地域経済 / 石油化学工業 / 合成樹脂 / 用途開発 / 大衆消費社会 / 経済システム / 貨幣コード / 高度経済成長 |
Research Abstract |
戦後日本における(1)石油化学コンビナートの建設と産業基盤の整備、(2)基礎化学製品の用途開発を研究対象とした。(1)石油化学製品は多様な消費財に利用されており、消費社会の発展に不可欠であった。一方、石油化学コンビナート建設は周辺地域社会に多大な影響を及ぼした。従来、地域格差是正や地域開発論としてこの問題が検討されてきたが、本研究では消費社会の形成と課題の発生との観点から検討した。コンビナート誘致に成功した地域の工業化は進展したが、その経済構造はコンビナート中心に再編され、地域独自の環境に根ざした歴史的発展と大きな断絶が生じた。この結果、繰り返し新たな需要を創造するに至るような多様性が失われ、消費社会の将来の発展を阻害する要因になったと考えられる。このような方針を地域社会が選択した要因は、大分県を事例とする考察では、急速な技術革新に素早く対応しようとしたこと、地域計画をオーソライズするため全国的開発計画に依存したこと、経済成長の隘路となった資源(水と土地)の豊富な存在が脚光を浴びたことであった。方針選択の際、地域経済再編が必要であったがその調整過程は今後の検討課題である。(2)多様な合成樹脂のうち高機能なポリカーボネート(PC)普及過程を検討した。PCは耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れているが、当初は高価であり、具体的用途は未知であった。樹脂メーカーはさかんにPRし、具体的用途に合わせて適切な樹脂を開発し、樹脂成形加工の中小メーカーに対して技術指導を行う必要があった。この過程は細かな経験の蓄積がきわめて重要な役割を果たしており、石油化学工業においては巨大装置に対する投資よりもむしろ、樹脂の多様なグレード開発や販売活動が競争上きわめて重要であったことが浮き彫りとなった。(1)については論点をまとめて発表する予定であり、(2)については他の合成樹脂についても検討する予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)