人材の流動化と個人と組織の新しい関わり方-派遣人材の働き方-
Project/Area Number |
11730063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
二神 枝保 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (10267429)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 人材の流動化 / 個人と組織の新しい関わり方 / コンティンジェント・ワーカー / 派遣人材 / 心理的契約 / 組織コミットメント / 知識創造 / 戦略的人的資源管理(SHRM) |
Research Abstract |
アメリカの人口動向調査(CPS)によれば、コンティンジェント・ワーカーの数は、約560万人にのぼり、全労働人口の4.4%を占める。本研究では、アメリカで急増するコンティンジェント・ワーカーと日本の派遣人材の組織と仕事への関わり方を比較調査・分析することによって、従来の終身雇用モデルではない、フレキシブルな雇用モデルの可能性を示し、人材の流動化と個人と組織の新しい関わり方を提示した。 まず第1に、アメリカのコンティンジェント・ワーカーの文献をレビューし、理論的イシューとして、1.コンティンジェント・ワーカーの職務態度(組織コミットメント、職務関与、職務満足)、2.コンティンジェント・ワーカーと戦略的人的資源管理(SHRM)、3.コンティンジェント・ワーカーと知識創造、4.コンティンジェント・ワーカーと心理的契約の4つのパースペクティヴを考察した。 第2に、日本のコンティンジェント・ワーカーの実践的インプリケーションを検討した。日本のコンティンジェント・ワーカーとして、派遣人材の働き方が注目されている。とくに登録者の数は、1986年の8万7370人から、1998年の74万9635人と急増している。派遣人材と正規従業員の職務態度をSPSSで詳細に比較分析した結果、組織コミットメント、仕事生活へのコミットメント、職務満足、キャリアプランには有意な差があった。また、派遣人材の二重の組織コミットメントのパターンごとに職務関与にも有意な差がみられた。さらに、インタヴューから、派遣人材の仕事への考え方を規定する要因として、専門性、キャリア・ヴィジョンや自発性が挙げられた。 第3に、コンティンジェント・ワーカーと戦略的人的資源管理(SHRM)を考察した。日本企業(回答企業)の49.5%がコンティンジェント・ワーカーの活用を経営戦略のなかで重要であると位置づけており、70%の企業が今後、コンティンジェント・ワーカーを活用する予定であると回答した。これらの結果から、日本企業の21世紀の戦略的人的資源管理の方向性を提案した。 第4に、これまでの研究成果をIFSAM(International Federation of Scholarly Associations of Management,Montreal於)の世界大会と日本労務学会国際シンポジュウムで報告し、海外の専門家との有益なディスカッションおよび情報交換をすることができた。 以上のことから、本研究では、1つの組織の中における昇進という動機づけよりも、心理的に成功することや仕事を武器に組織を流動化しながら、キャリアアップをしたり、仕事を自己実現とする生き方を求める新しい人々の働き方を考察し、人材の流動化が進展するなかの個人と組織の新しい関わり方を提言した。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)