Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
与えられた多様体を豊富な因子として含むことができる非特異複素射影代数多様体の構造を決定することは,豊富な因子による代数多様体の分類という意味から,偏極多様体に関する問題の中において極めて重要な位置を占める.この研究の目的は,多様体Zが与えられたときに,非特異複素射影代数多様体Xと零点集合がZになるような大域切断を有し,かつ,ZのXにおける余次元に等しい階数を有するX上の豊富なベクトル束Eから成る一般偏極多様体(X,E)の構造を明らかにすることにより,上記の豊富な因子による代数多様体の分類をその一部として含むような,一般偏極多様体の分類理論を展開することであった.これに基づいて,今年度は以下の2つの研究を行った. 1.Eをn次元の非特異射影代数多様体X上の階数n-2の豊富なベクトル束とする.Zが小平次元1の代数曲面の場合に,零点集合がZになるような大域切断を有するEの構造を完全に決定し,豊富な因子の場合を扱ったSommeseとShepherd-Barronの結果を一般化した. 2.Eをn次元の非特異射影代数多様体X上の階数n-1の豊富なベクトル束とするとき,零点集合が有理曲線や楕円曲線になるような大域切断を有するEの分類を以前に行っていた.この研究の続きとして,Eが非常に豊富なベクトル束の場合に,種数が2以上の超楕円曲線Z上で消滅するような大域切断を有するEの性質を調べた.特に,Zの種数が2のときには,XとEから成る一般偏極多様体(X,E)を分類することにも成功した.
|