Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
本研究課題のBartholomew予想とは,「順序制約下での尤度比検定の検出力は対立仮説錐の中心方向で大きく,端に近付くにつれ小さくなる」という現象を象徴する未解決問題である.研究代表者は近年,Eaton-Perlmanによるmajorizationの理論の一般化によるこの予想に対する有効な接近法を見出し,部分的ではあるものの完全な解決を与えることに成功した.本課題ではこれらの成果の深化・発展を目指し,研究2年目にあたる平成12年度は,学会等での発表および雑誌への投稿による初年度得られた成果の公表を進めつつ,研究のさらなる進展を図った.主な実績は概ね次の2点である.まず第1点は初年度に投稿していた論文の改良を行い,国際的な学術雑誌(Journal of Multivariate Analysis)に掲載されることになった.また,この論文の内容については日本統計学会およびシンポジュウム「統計的推測理論とその応用」で発表した.この結果において基本となる不等式はGaussian Correlation inequalityとの関連で興味深く,既に知られている場合であるがその適用可能性を確かめることができた.現在一般の場合への発展・拡張を目指して研究を進めている.第2点は,鏡映群によるmajorizationの順序とBruhat順序の間の同値関係に関するものである.この結果を含むBartholomew予想に関する講演をシンポジュウム「カオスと非線形時系列」において行った.現在この同値関係の例外型の鏡映群に対する検証を考察しており,その結果を含めた形で論文として公表すべく準備を進めている.
|