Project/Area Number |
11740144
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青井 考 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00311647)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | ^<84>Se / クーロン励起 / 殻構造 / 中性子過剰核 / 不安定核ビーム / ^<86>Krビーム / 電気四重極遷移強度 / 中性子数50原子核 |
Research Abstract |
原子核を構成する陽子や中性子の数が魔法数と呼ばれる特定の値を取ると、まわりの原子核と比べて特に安定になり、形状も球形となる。安定線近傍では8,20,50が魔法数であり、これは強いスピン・軌道相互作用をもつポテンシャル模型から導かれる原子核の殻構造の帰結であるとしてよく説明できる。ところが、近年になって研究が急速に発展している中性子過剰核では、安定線近傍とは異なる殻構造をとることが分かってきた。例えば、^<32>Mgは中性子数が安定線近傍での魔法数N=20であるにもかかわらず大きく変形しており、中性子過剰領域では殻構造が変化しうることが分かっている。 本課題は、中性子過剰領域でのN=50近傍の殻構造の振舞を調べることを目的とする。中性子数が50の中性子過剰核であるセレニウム84(^<84>Se)原子核のクーロン励起実験を行い、第一励起状態(2^+)への反応断面積から^<84>Se原子核の変形度を導出する。 ^<84>Seは理化学研究所加速器研究施設に付設されている2次ビームコースで、毎秒約1x10^3個の強度で得た。^<84>Se原子核は鉛標的で励起させ、脱励起する際に放出されるγ線と、散乱原子核の同時測定を行った。γ線検出器は66個のNaI検出器で構成され、γ線のエネルギースペクトルを測定した。^<84>Seビームは高速で運動しているため、放出されるγ線のエネルギーはドップラー効果をうけてシフトする。このドップラーシフトの量はγ線の放出角度によって変化するため、エネルギー分解能を著しく悪化させる。そこで、ドップラーシフトを、γ線を検出したNaIの位置から求めた放出角度に従って補正し、10%以下のエネルギー分解能を得た。一方、散乱された原子核は、標的下流に設置したシリコン検出器で検出し、ΔE-E法により粒子識別を行った。散乱された^<84>Seと同時測定したγ線のエネルギースペクトルから、^<84>Seの第一励起状態への換算遷移確率が導出できる。実験は既に終了しており、これまでの解析で、^<84>Seの2^+準位からのγ線(1455keV)が同定できている。
|