初期宇宙における原始ブラックホールの形成とその宇宙論的帰結
Project/Area Number |
11740146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横山 順一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50212303)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 原始ブラックホール / 宇宙論 / 元素合成 / インフレーション / 密度揺らぎ |
Research Abstract |
本年度は、前年度に行った、蒸発中の原始ブラックホールが放出する高エネルギー粒子が初期宇宙の元素合成に与える影響の解析を引き続き行うとともに、その成果を第20回相対論的宇宙物理学に関するテキサスシンポジウムにおいて発表した。主たる結果は、質量一億ないし百億グラムの原始ブラックホールの生成量が、生成時の宇宙の全エネルギー密度に対し、10^<-20>以下に制限される、ということである。また、原始ブラックホール形成を目途として行ったインフレーション中に非スケール不変密度揺らぎを生成する研究の応用として、ダブルインフレーションを考えることにより、小スケールの揺らぎの振幅を抑制することが可能になり、それによって矮小銀河問題が説明できることを示した。あわせて超重力理論において現実的なダブルインフレーションモデルの構築を行った。さらに、インフレーション中にインフレーションを起こすスカラー場がポテンシァルの極値点を通過する際には、通常の解析法では密度揺らぎの振幅が発散し、原始ブラックホールの生成に好都合であることが知られていたが、減衰モードまで含めた正しい解析を行うことによって、そのような発散は実際には起こらないことを示した。これによって、原始ブラックホール形成が可能になるような密度揺らぎのスペクトルをインフレーションによって与えるには、私が先に提案したカオティックインフレーションモデルのような状況が必須であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)