Project/Area Number |
11740184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo (2000) University of Tsukuba (1999) |
Principal Investigator |
柴田 尚和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302385)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 重い電子系 / 近藤格子 / 帯磁率 / 相関関数 / 近藤絶縁体 / 密度行列繰り込み群 / RKKY相互作用 / 近藤効果 / 朝永ラッティンジャー液体 / 動的相関関数 / 擬ギャップ |
Research Abstract |
電子間の相互作用の効果が強く現れる4f電子や3d電子をもつ強相関電子系の物性を理解するためには、従来の摂動論的計算法を超える精密な物理量の計算が必要になると考えられている。本研究では近似理論を用いない数値的計算法を用い、重い電子系や高温超伝導体等の電子相関が強い系の特徴を明らかにすることを目指している。今年度の研究では量子多体系を高精度で解く密度行列繰り込み群を用いて、重い電子系の理論的模型である近藤格子模型の交番帯磁率、相関関数の漸近形の温度変化を交換相互作用の強い領域から弱い領域まで系統的に調べ、磁気的相関を成長させるRKKY相互作用とそれを阻害する近藤効果との競合の様子を明らかにした。一次元の場合に得られた結論は以下の通りである。RKKY相互作用による顕著な反強磁性的磁気相関の成長は交換相互作用の大きさが伝導電子のバンド幅の約1/4以下の弱い領域でのみ中間温度領域でみられ、この温度領域は交換相互作用を小さくすると低温側に移行する。この温度領域の下限は、伝導バンドの占有率が1/2の場合に指数関数的に小さくなり、低温領域まで磁気的相関が成長し続ける。交換相互作用の大きさが伝導電子のバンド幅の約1/4以上の強い領域では、スピン一重項状態を形成する近藤効果が支配的になり、高温でほぼ独立に振る舞う局在スピンは温度の降下とともに伝導電子によってほぼ独立にスクリーニングされ、反強磁性的相関の成長がみられないまま磁気秩序のない基底状態に至る。
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