Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
2次元系の乱流の研究は今まで高気圧性回転,低気圧性回転する渦が対称的に発展する系が取り扱われてきた.しかしながら,地球の海洋や木星大気中では,低気圧性回転の渦に比べて高気圧性回転の渦がより長寿命であることが知られている.そこで本年度の研究は,高気圧性渦と低気圧性渦が非対称発展する事が知られている2次元乱流系のひとつで,Cushman-Roision and Tang(1991)によって提唱された一般化地衡流方程式の減衰性乱流実験を行い,彼らが提唱した渦の平衡理論の追試を試みた. Cushman-Roision and Tang(1991)によると,物理空間を渦と背景場に分類し,平衡状態における渦のスケールおよび振幅は,それぞれRhinesスケール,および適当な無次元化スケールで1,また背景場は変形半径程度のスケールできわめて弱い振幅を持つと仮定されている.この仮定のもとで,彼らの理論は系の保存量のみから平衡状態における渦の占有面積を予測できる.彼らが行った数値実験の解像度ではこの仮定は満足されるが,より高解像度の場合には渦の強さは彼らの仮定に比べて大きく,したがって平衡状態における渦の占有面積は彼らの理論よりももっと狭くなり,したがって彼らの提出した平衡理論は修正が必要であることがわかった. これらの研究成果は2000年1月27日に日本学術会議で開催された理論応用力学講演会オーガナイズドセッション「不安定性と乱流」において公表された.
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