外熱急冷式外熱式ガス圧装置による火山噴火過程の解明
Project/Area Number |
11740291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 美千彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70260528)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | TZM合金 / 外熱式ガス圧装置 / 火山噴火 / 発泡 / 酸素分圧 / マグーマ溜り / 内熱式ガス圧装置 / 水熱合成 / 水熱合成装置 |
Research Abstract |
流体を圧媒体としたガス圧装置は、固体圧の高圧装置に比べ、中・上部地殻の比較的低い圧力を圧倒的に精密に再現できる。特にTZM(Ti-Zr-Mo)合金を用いた外熱式装置は,内熱式と比べて同程度の高温高圧(1200℃,500MPa)が発生できる上、1)はるかに安価(容器価格は1/10以下)のため複数の高圧容器を接続でき、複数の実験条件で同時に長時間(数ヶ月以上)の実験が可能 2)圧媒体組成を変えることで精密かつ長時間の酸素分圧制御が可能 3)緩やかなガス放出が可能なので減圧実験に適する 4)水を主圧媒体とするため高圧ガス規制法の特認対象とならないので、装置の自由な設計・改良が可能で、また膨大な費用が必要な保安検査の対象とならないなど数々の利点がある。本研究ではこれらの特徴に着目し、火山噴火機構解明に適したダブルリアクター式による外熱急冷式TZMガス圧装置を設計・製作した。その結果、外熱式装置の基本的な特性、特にフィラーロッドにNiを用いることで、実験時間にかかわらず酸素分圧をほぼNNOバッファーに緩衝できることが確認された。一方で、900℃を超える高温では、不活性ガスを圧媒体に用いる内熱式ガス圧装置に比べ、試料カプセルに用いる白金などの貴金属が再結晶作用を起こしリークが起こりやすいという問題点があることも判明し、CO2などを混入することによって圧媒体中の水の活動度を下げる工夫が必要であることがわかった。北海道駒ケ岳のデイサイト質試料を用いた発泡実験では、磁鉄鉱と気泡の分布の空間相関が高く、磁鉄鉱の結晶面と気泡との"濡れ"性が高い可能性が見出された。これによって、噴火のトリガーとなるマグマ溜りの過剰圧蓄積過程(脱ガス過程)において、結晶の種類と量が気泡のネットワーク形成に大きく影響を与える可能性があることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)