Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究課題の目的は,高感度のペニング電子分光法により,負イオンクラスターの余剰電子分布および立体構造を系統的に調べることであった。平成11年度においては,装置開発と試料生成に関する実験を行った。以下にその成果を述べる。 連続イオン化源に対応した磁気ボトル型電子エネルギー分析器を製作し,従来より1000倍以上の測定感度を中程度の分解能(82meV)において達成した。本装置を用いることにより,ArおよびのCO_2のvan der Waals錯体のペニング電子スペクトルをはじめて測定することができた。これらのクラスターでは,光学的にはFranck-Condon因子の制約から生成しえないが,He*(2^3S)からは共鳴的な励起エネルギー移動によって超励起状態が生成し,その後構造緩和を起こして自動イオン化を起こすことが明らかとなった。このような過程はクラスターに特異的であり,今後の研究の展開に重要な指針を与えた。 高感度ペニング電子分光法を気相微量化学種に適用するための予備的な実験として,多環芳香族炭化水素(PAH)のペニング電子分光と金属クラスター気相への生成を行った。ベンゼンからコロネンに至るまでのPAHについて,π電子とσ電子の立体電子分布とHe*(2^3S)との相互作用をペニング電子スペクトルから議論した。また,レーザー蒸発によって生成した。Cu_n(n=1-3)とNO_x(x=0,1,2)の負イオンクラスターについて,光電子分光と理論計算により議論を行った。
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