Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
導電性高分子(共役π電子系高分子)は,バンドギャップより大きなエネルギーを持つ光で励起されると光電導性を示す.光励起に伴って生成する局在励起状態は,導電性高分子における電荷担体と考えられるので,その分子構造や電子状態,さらにその生成と再結合・消滅過程を明らかにすることは,導電性高分子における光電導機構を解明するうえで重要である.本研究では,パルス幅が約1ピコ秒の波長可変なパルス赤外光をプローブ光源とした,指紋領域まで測定可能なピコ秒時間分解赤外吸収測定装置を製作し,導電性高分子における光誘起電荷分離・再結合過程を解明した. 平成12年度は,11年度に製作したピコ秒時間分解赤外吸収測定装置を用いて,導電性高分子配向フィルムのピコ秒時間分解赤外吸収スペクトルの測定と解析を行った.導電性高分子ポリ(p-フェニレンビニレン)【-!(】C_6H_4CH=CH【)!-】_nの延伸配向フィルムを合成し,赤外透過基板(CaF_2)にはさんで液体窒素冷却クライオスタットのコールドヘッドに装着した.クライオスタットで77Kに保たれた試料にポンプ光を照射し,光励起状態を生成させて,ピコ秒時間分解赤外吸収スペクトルを測定した.延伸配向方向に対するポンプ光とプローブ光の偏光条件を変えた時間分解測定も行った.これらの測定により,光励起直後に生成する束縛ポーラロン対と電子励起状態(エキシトン),さらにこれらから電荷分離した電荷担体(ポーラロン)の同定と,光誘起電荷分離過程および電荷担体の再結合・消滅過程のダイナミックスを明らかにした.
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