Project/Area Number |
11740323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 知成 京大, 理学(系)研究科, 助手 (30273428)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 炭素クラスター / 超微粒子 / 一光子イオン化 / 質量分化 / 真空紫外レーザー / レーザーアブレーション / フラーレン / ナノチューブ |
Research Abstract |
本研究では、1.質量が10^3ー10^6原子質量単位におよぶ超微粒子の検出が可能な質量分析装置の試作、および2.熱分解生成物のフラグメンテーションフリーの検出法の開発、という二つの新しい実験法の開発を軸に、グラファイトのレーザーアブレーションにより生成する高温の炭素超微粒子の熱分解過程に関する基礎的研究を行っている。本年度は特に、真空紫外レーザー光を用いた一光子イオン化検出法の導入により、これまで検出が困難であった中性フラグメントを、イオン化に伴う二次的な分解反応なしに直接検出することに成功した。これにより上記第2の点で特に大きな進展があった。その要点は、比較的高いイオン化エネルギー(>8eV)をもつ炭素数〜20以下の小サイズ炭素クラスターを、そのイオン化エネルギーより高いエネルギーの光子(hv=10.5eV)で直接的にイオン化することにより、従来の多段階多光子吸収光イオン化法では避けられなかったフラグメンテーションの影響を極力迎えた点である。その結果、グラファイトのレーザーアブレーションにより生成する中性の炭素クラスターとして、炭素数9以下では奇数クラスターC_<2n+1>(n=1-3)の生成量が、また炭素数10以上では4とびにC_<4n+2>(n=2,3,4)の生成量が他より抜きん出て多いことが明らかになった。このことは中性フラグメントが、炭素数9以下では直鎖構造、炭素数10以上では環状構造をとることを強く示唆する。今後は、現在製作中の超微粒子質量分析装置と一光子イオン化質量分析器とを組み合わせることにより、超微粒子のサイズと中性フラグメントのサイズとの関係を調べ、高温炭素超微粒子の冷却過程および異性化過程との関連を明らかにしていく予定である。
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