「量子力学計算のための解適合基底系の開発及び波束動力学計算への応用」
Project/Area Number |
11740333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菅原 道彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (40276415)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム / 波束動力学 / 移動型最小二乗法 / 解適合基底 |
Research Abstract |
移動型最小二乗近似を用いた要素フリー・ガラーキン法を基に高次元(二・三次元)系の定常状態量子力学計算用汎用基底を開発した。さらに、二次元用基底をHOD分子振動の波束動力学計算に応用し、レーザーによる選択的励起に関する理論的な解析を行った。また、一方でニューラルネットワークを用いて波動関数を表現し、そのネットワークパラメータを遺伝的アルゴリズムで最適化することによりシュレディンガー方程式の解を求めることに成功した。ニューラルネットワークとしては入力・中間・出力層の3層からなる階層型パーセプトロンを採用し、入力信号として座標の値を、ネットワーク出力として波動関数の振幅と位相の値を対応付けることにより解である波動関数を表現している。ネットワークを構成する各パラメータはシュレディンガー方程式を満足する様にネットワークを教育することによって最適化された。また、ネットワークが初期値のとり方によって局所解に陥ってしまい正確解に至らないという事態を遺伝的アルゴリズムを併用することによって回避した。この際、遺伝的アルゴリズムとしては最適化の際に用いる染色糸数を抑えるために有効であると思われるマイクロ遺伝的アルゴリズムを採用している。開発された手法を、一次元調和振動子、モース型ポテンシャル、および二重井戸型ポテンシャルに適用したところ、いずれの場合においても励起状態固有関数を直接求めることが出来た。また、注目される点として励起状態を記述する際に必要とされるネットワークのユニット数がほとんど基底状態と変わらないという事が確認された。また、本手法はネットワークの入力層のユニットを増加させるだけで多次元系の波動関数が記述できるため拡張が容易である。以上の結果より、今回開発された方法は従来の基底関数展開が不得意としていた多次元高励起状態振動計算に有用であろうと結論付けられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)