Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
2つのポルフィリンを様々な距離や角度を持つスペーサーで連結した分子の合成に成功した。そのスペーサーは様々な置換位置の芳香環、光異性化可能なジアリールエテン、あるいは2つのポルフィリン環が直接結合したものである。次に励起エネルギー移動の検討を目的として、ここで得られたポルフィリン二量体の一方のポルフィリン環にのみ亜鉛を錯化させ、亜鉛ポルフィリンからフリーベースポルフィリンへのエネルギー移動をスペクトル的手法を用いて検討した。その結果、ポルフィリン環周りの置換基を変えて、ポルフィリン環自体の電子状態を変化させることでそのエネルギー移動速度が異なることが確認され、直接結合ポルフィリン二量体においてはかなりの速度上昇が観測された。また、分子認識部位を有するポルフィリン単量体を合成し、それに外部刺激と成り得る特定のゲスト分子を添加することで、特徴的構造を持ったface-to-face型のポルフィリン二量体が形成できることを明らかにした。さらに同一の相互作用を利用することで、多数の分子認識部位を有する分子ではポルフィリン二量体が多数連なったポリポルフィリン構造が構築できることを証明した。
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