Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
光合成はアンテナ系とよばれる光収穫系で太陽光を効率よく集め,そのエネルギーを高速に電荷分離系に移動させ電荷分離を行っている。そこでアンテナ系分子と電荷分離系分子の共役を電極上で試みた。まずピレンをエネルギードナー,ポルフィリンをエネルギーアクセプターとした混合自己組織化単分子膜(SAM)を金電極上に作製し,ピレンからポルフィリンへの1重項・1重項エネルギー移動が起こっていることを確認した。次に500nm付近の光を効率よく吸収するボロン色素(B)のアルカンチオールを合成し,ポルフィリンアルカンチオールとの混合単分子膜を金電極上に作製した。その結果,混合膜中でボロン色素の励起1重項からポルフィリンへ高効率のエネルギー移動が起こっていることがわかった。そこでポルフィリンアルカンチオールを電荷分離分子に相当するフェロセン-ポルフィリン-C_<60>に置き換え,その混合膜の光電変換特性を評価した。ボロン色素のみの系(-0.2V vs Ag/AgCl,30mMメチルビオローゲン,酸素飽和条件下)(量子収率:1.6%(510nm))に比べて,混合系において約30倍の光電流発生効率の向上(量子収率:50%(510m);混合比B:Fc-P-C_<60>=63:37))が観測された.本システムは光合成のアンテナ系と電荷分離系を電極上で初めて人工的に共役させただけでなく,金属電極上の単分子膜を用いた系として量子収率の世界最高値を更新することにも成功した.この結果から今後より光収穫機能の高い分子系を開発できれば,光エネルギー変換効率の向上も期待できる。
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