機能性多核金属錯体を単位とする電極表面多層集積系の構築とその化学機能
Project/Area Number |
11740364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 正明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260033)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ルテニウム / 三核錯体 / 自己組織化 / 単分子膜 / 全電極 / 酸化還元 / カルボニル配位子 / 多層膜 / 多核錯体 / オキソ架橋 / 金電極 / 鉄 / プロトン共役電子移動 |
Research Abstract |
本研究では、溶液内酸化還元挙動をはじめ諸物性が明らかとされているオキソ架橋二核錯体および三核錯体を金電極表面へ自己組織化法により固定化し、得られた単分子膜の基礎的酸化還元特性と界面反応性を調べた。さらに配位結合生成を利用した酸化還元活性金属クラスターの膜界面への多層化を行なった。 金電極表面ヘオキソ架橋ルテニウム三核錯体を自己組織化するため、種々の長さを持つアルキルージスルフィド配位子を導入した錯体を合成し、次いでその錯体を含む溶液へ金電極を一定時間浸漬することにより、Au-S結合で固定化された単分子膜を合成した。末端にピリジン配位子を持つルテニウム三核錯体の自己組織化単分子膜は、水溶液中、広範なpH領域において固定化錯体に由来する1電子酸化還元過程を示した。サイクリックボルタモグラム(CV)の電気量から三核錯体は金電極表面に単分子層として密に配列しており、CVの多重掃引によっても電極表面からの錯体の剥離はなかった。さらに酸化還元電位やCV波形には顕著な支持電解質依存性があり、界面配列錯体と電解質アニオンとの相互作用の大きさの違いやアニオン種に依存した膜構造変化が示唆された。クラスター末端にカルボニル配位子を持つルテニウム三核錯体の単分子膜では、三核骨格の1電子酸化に伴うカルボニル/アクア配位子置換反応が観察された。そのアクア配位子の占有するサイトへ4,4′-ビピリジン配位子を持つ三核錯体の導入を試みたところ、錯体ユニットの二量化が観測された。以上の操作をさらに繰り返すことにより三量化反応も進行した。 その他、オキソ架橋ルテニウム二核および鉄二核錯体の自己組織化単分子膜を作製し、金電極界面におけるプロトン共役酸化還元挙動についても詳細な知見を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)