二重交換相互作用発現を目指した鉄(II,III,II)混合原子価三核錯体の合成
Project/Area Number |
11740366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶原 孝志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80272003)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | クラスター錯体 / 磁気的相互作用 / 集積型金属錯体 / 鉄(III) / 混合原子価 / 鉄錯体 / 錯体配位子 / クラスター配位子 / 磁気的挙動 |
Research Abstract |
研究の過程で新規に鉄(III)三核クラスター配位子(CL-)の合成に成功した.CL-は中心にμ_3-オキソにより架橋された鉄(III)三核クラスターコアを有し,鉄イオン間を架橋するアルコキソイオン,四つの塩化物イオン,そして配位可能なカルボニル酸素を提供する二つのbpca-イオンよりなり,一価の負電荷を有する錯体である.CL-は同じ方向を向いた四つの配位可能なカルボニルサイトを有し、金属イオン集積体の構築素子として極めて有効である。二つのクラスター配位子と二価の第一遷移金属イオンから成る七核錯体を複数合成し、その磁気的挙動を調べた。特に鉄(II)イオン、マンガン(II)イオンとCL-よりなる七核錯体は、基底スピンがS=6,12/3と大きなものであり、その磁気的振る舞いは特異なものである。混合原子価鉄七核錯体(前者)においては、まだプレリミナリーな結果ながら磁気異方性が存在することも強磁場中のトルク測定より明らかとなった。基底スピン多重度が大きなものとなるのはクラスター配位子と中心の鉄(II)イオンとの間の強い相互作用によると考えられるが,この相互作用はクラスター配位子内の鉄(III)イオンと中心の鉄(II)イオン間の電荷移動的な相互作用に基づく可能性が高く,本研究課題の二重交換相互作用が働いていることを示唆するものである.単分子磁石となる可能性を含め,今後の発展性のある新たな化合物群の創製に成功したことが本課題研究における成果と言える.
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)