Project/Area Number |
11740367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡崎 雅明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20292203)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | イリジウム / ロジウム / シリル錯体 / シリレン錯体 / 転位反応 / 分子軌道計算 / ウィルキンソン型錯体 |
Research Abstract |
遷移金属シリルおよびシリレン錯体は、アルケンあるいはアセチレン類のヒドロシリル化反応、ヒドロシランの脱水素カップリング反応、あるいは有機ケイ素化合物での置換基の再分配反応等における重要な中間体と仮定されており、その反応性には興味が持たれる。本研究では、ヒドロシランと炭化水素の脱水素縮合反応へ、シリレン錯体でのアルキル配位子のシリレンケイ素への1,2転位反応を応用しようと試みた。そこで初年度においては、このシリレン錯体上での転位反応を、密度氾関数法を用いた分子軌道計算により検証した。その結果、メチル(シリレン)錯体からメチル配位子のシリレンケイ素への1,2転位により、メチルシリル錯体生成が生成するための活性化エネルギーは+2.6kcal/molであり、この炭素-ケイ素結合生成反応は極めて穏和な条件で進行することを明らかにした。 本年度は、これまで検討してきたイリジウム錯体の系をより触媒活性が高いと予想される同族のロジウムへと拡張した。2座キレート配位子(2-ホスフィノエチル)シリルを有するロジウム錯体を合成して、その反応性を検討した。この錯体は、トランス効果およびσ供与能共に非常に大きいシリル基をもつことから、等電子等構造のウィルキンソン錯体RhCl(PPh_3)_3に比べて、非常に高い反応性を示すことがわかった。例えば、ヒドロシランとの反応では、ウィルキンソン錯体の場合、70℃で初めて脱水素カップリング生成物であるジシランが生成するのに対し、本研究で合成した(2-ホスフィノエチル)シリルロジウム(I)錯体では、室温で脱水素カップリング反応が起きて、定量的にジシランを与えることがわかった。
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