Project/Area Number |
11740368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野々村 太郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80302082)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | フタロシアニン / テトラアザポルフィリン / シクロペンタトリエン / トロピリウムカチオン / 酸化還元反応 / Q帯 / 電子吸収スペクトル / ESR / シクロヘプタトリエン / 長波長シフト |
Research Abstract |
昨年までにフタロシアニンの4個のベンゼン環をシクロペンタトリエンに置き換えた類縁体の合成を行った。それぞれのシクロペンタトリエン部位の置換基としてフェニル基を2個持つ物と3個持つ物では、酸化剤を添加した際の電子吸収スペクトルにおける挙動は大きく異なっていた。本年度はこの2つの化合物を用いて、スペクトル変化を与えた構造変化の詳細について解析を行った。 合成した2種類のうち、2個フェニル基を持つものは酸化剤の添加によりスペクトル形状が大きく変化した。3個の物は変化するもの、大過剰の酸化剤を要し、長時間かかった。変化は広幅化するとともに長波長側にシフトした。これはπ系の拡大による物と考えられる。ESRの測定を行ったが信号を与えなかった事から、一電子酸化の可能性は除外される。 電気化学的には同程度の酸化還元電位を持つ両者が異なった挙動を示すのは、脱離するヒドリド周りの立体的嵩高さによる物と推測される。酸化前には観測されたMCDにおけるFaraday A項が観測されないことから、酸化された状態では対称性が低下されていることが分かった。これは、昨年得られた1当量以上の酸化剤の添加は、それ以上のスペクトル変化を与えないという結果と矛盾しない。 これらの結果は、本系のスペクトル変化が、1)一電子酸化に由来するものではなく、当初の作業仮説どおり、ヒドリドの脱離による物である、2)4個ある脱離可能な水素のうち、1個のみが脱離する、ということを示している。 以上の結果をAngewandte.Chem.Int.Ed.Engl.に報告した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)