Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
既に報告されているトリシクロヘキシルホスフィン-ハロボランの二電子還元反応によってボリル陰イオンを発生させ,これとケイ素-水素結合を有するクロロシラン類を反応させることによって,新規なシリルボランを合成した.より立体障害の小さい,トリメチルホスフィン-ハロボランを用いたボリル陰イオンの発生は成功しなかった. 合成したシリルボランのケイ素-水素結合,およびホウ素-水素結合が金属錯体と反応し得ることに着目し,数種の金属錯体との反応を試みた.6属金属ヘキサカルボニルとの光反応では,光照射によって生じた空の配位座に,シリルボランがホウ素-水素結合を通して金属に配位した,「ボランσ錯体」の生成が分光学的に確認されたが,この生成物は,おそらくホスフィンの立体障害のために単離できる安定性を持っていなかった.また金属上にアルキル基を有する鉄,タングステン,およびモリブデン錯体との反応では,シリルボランのケイ素-水素結合が金属に酸化的付加し,続いてアルキル基が脱離した,シリル錯体の生成が確認された.この化合物は,電気的に極めて陽性なボリル基を含むシリル錯体として,その反応性に興味がもたれる.現在この化合物の単離・同定を行なっている. また今後,スタニルボランの合成を行なうと共に,シリルボランと様々な遷移金属錯体(これまでに我々がホウ素化合物,ケイ素化合物と反応することを見い出している錯体を中心に)との反応を行なっていく予定である.
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