三脚型窒素三座配位子に支持された単核遷移金属上での酸素活性化機構の解明
Project/Area Number |
11740370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
引地 史郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10282857)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 酸素活性化 / 三脚型窒素三座配位子 / 単核錯体 / ペルオキソ錯体 / アルキルペルオキソ錯体 / マンガン / ニッケル / バナジウム / 鉄 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたる本年度は、前年度までに単離及び構造決定に成功した三脚型窒素三座配位子であるヒドロトリスピラゾリルボレートを金属支持配位子に持つマンガン及びニッケル単核酸素錯体の性質を検討した。 マンガン+3価ペルオキソ錯体に関しては、種々の中性補助配位子を持つ酸素錯体合成を行い、金属に配位したペルオキソ基と中性補助配位子上のNH基との分子内及び分子間での水素結合形成の結果、酸素錯体の熱安定性が向上するものの外部基質に対する酸化活性は低下することを見出し、生体内における酸素運搬体と酸素添加酵素の機能の差違を錯体化学的に再現することに成功した。また配位不飽和な単核マンガン+2価-チオラート錯体と酸素との反応を検討し、電子供与能を示すチオレート配位子の導入を受けてマンガンイオン上での酸素分子の還元的活性化が進行し、室温にてホスフィン共存下で芳香族炭化水素への触媒的酸素添加活性を示すことを見出した。さらに低温下でのチオラート錯体と酸素との反応においては、チオレート配位子のジスルフィドへの酸化に伴うマンガン中心よりの脱離を経て単核マンガン+3価ペルオキソ錯体が生成することを見出した。これに対しマンガン+2価-カルボキシラト錯体は、金属中心がやはり配位不飽和であるにもかかわらず酸素活性化能を全く示さないことから、補助配位子による金属中心の電子状態の制御により酸素活性化能の発現が可能であることを実証した。 ニッケルアルキルペルオキソ錯体の反応性の検討し、熱分解の結果複核高原子価金属架橋ジオキソ錯体と同様にラジカル的な中間種を経てアルキル基への酸素添加が進行することを見出した。またこの錯体はホスフィン等に対する親電子的酸素添加能を有する一方で、アルデヒドの酸化においては求核的な反応性を示し、基質の特性に応じた柔軟な酸化活性を示すことを明らかとした。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)