Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
昨年度見出したジスルフィド架橋ルテニウム複核錯体における架橋様式の相互変換を,電気化学的なプロセスに拡張した.ジスルフィド架橋ルテニウム複核錯体[{RuCl(P(OMe)_3)_2}_2(μ-Cl)_2(μ,η-S_2)]の電気化学的酸化還元サイクルによって,酸化状態3種(Ru(III,III),Ru(II,III),Ru(II,II))と架橋様式2種(η^1,η^2)の組み合わせで計6種類の化学種が存在することが示されたが,酸化状態がRu(III,III)の場合にはη^2の架橋様式は生成後直ちにη^1に構造変換し,また酸化状態がRu(II,II)の場合には逆にη^2に収斂することが見出された.そして酸化状態Ru(II,III)では2種類の架橋様式が平衡状態にあるが,その平衡はη^1へ偏っていることが分かった.これらの傾向は化学的酸化還元によって見出されたものと一致した.分子軌道計算によってもこれらの傾向が見出された.また,電気化学的に生成しているRu(III,III)の化学種を単離する目的で電解合成を試みたが,Ru(II,III),η^1の化学種および,複核錯体から塩素架橋が失われた構造の錯体が1:1で生成した.これは電解によってRu(III,III)の化学種が生成すると,それが未反応のRu(II,II)の化学種と均化反応を起こしたものであることが示唆された.
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