Project/Area Number |
11740376
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
赤司 治夫 岡山理科大学, 自然科学研究所, 講師 (30221708)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | モリブデン錯体 / ロジウム錯体 / イリジウム錯体 / 貴金属錯体 / 硫黄架橋錯体 / 触媒反応 |
Research Abstract |
本研究においては、新規の貴金属-硫黄結合をもつ多核金属錯体を合成し、その反応性の検討を行うことが目的であった。昨年度に、ロジウム-硫黄-モリブデン結合、およびイリジウム-硫黄-モリブデン結合をもつツインキュバン型混合金属クラスター錯体を合成し、その結晶構造を報告した。本年度はさらに、[{Mo_3RhCp^*S_4(H_2O)_7(O)}_2](CH_3C_6H_4SO_3H)_2(CH_3C_6H_4SO_3)_8・16H_2O、および[{Mo_3RhCp^*S_4(H_2O)_7(O)}_2](CH_3C_6H_4SO_3)_8・14H_2Oの結晶構造解析に成功した。これらの結晶は骨格の外圏に存在する分子や、結晶構造の温度依存性などに違いが見られたものの、中心のクラスター骨格はすべて同じ骨格であることを明らかにした。現在までのところ、本研究により合成したロジウム-硫黄-モリブデン錯体には、触媒としての反応活性が認められていない。そこで環状構造をもつジエン(例えば1,5-シクロオクタジエンなど)などを配位子にもつ有機ロジウム基を反応に用いて、より高い活性をもつロジウム-硫黄-モリブデン錯体の合成を行っている段階である。 一方、本錯体に関連して興味深い点は、Mo_3S_4骨格に配位していた水分子のうち二つが、ロジウム基の導入に伴い、オキソ架橋へと変化し、二つのMo_3RhS_4骨格を架橋している点にある。これはCp^*Rh基の強いルイス酸性によるものと考えられるが、このような影響がロジウム-硫黄-モリブデン-酸素と長い結合を介して水分子に及んでいるとすると、非常に珍しい例である。現在このオキソ架橋形成のメカニズムに関しても注目して研究を進めている。 今回新たにルテニウム-硫黄-モリブデン結合をもつMo_3RuS_4クラスター錯体の合成にも成功したが、詳細については研究を始めたところである。
|