Project/Area Number |
11740388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304751)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 光電流 / 光電変換 / 大陽電池 / ルテニウム錯体 / ビオローゲン / 光誘起電子移動 / 電荷分離状態 / 自己集合単分子膜 / 電子拡散 / 光増感 |
Research Abstract |
D部位としてルテニウム錯体、A部位としてビオローゲンを組み込んだ「D-2A-金」型光電変換素子の光電変換能力をより定量的に評価するために必要となる基礎的な測定データを「D-A-金」型光電変換素子を用いて収集・検討・考察を行った。また、より包括的な系として、チタン酸化物を用いて光捕集系を組み込んだ光誘起電荷分離分子集合体を電極上に形成し、その光電変換能の評価を行い、本研究の展開につながる「光捕集系による光電変換の高効率化」についての基礎的知見を得た。その後、「D-2A-金」型光電変換素子を構築するための分子の合成に成功し、自己集合法を用いて金電極表面に固定を行った。この「D-2A-金」型光電変換素子は、対応する分子構造を持つ「D-A-金」型光電変換素子よりも被覆率が低い結果であった。この理由として、A部位間の静電反発がその原因であると考えられる。この「D-2A-金」型光電変換素子を三極式電解セルの作用極とし、犠牲試薬の存在下で光を照射する事で、安定なアノード光電流を発生する事が明らかになった。さらにこの光電流の波長依存性から、D部位の光励起が光電変換に寄与していることを確認した。また、この光電流は電極に印可する電圧を正側に変化させるにつれて増大し、D→A→電極という電子の移動経路が光電変換に用いられている事が示された。より定量的評価を行うために、電極表面に固定されたD部位の単位個数あたりの光電変換効率を求めたところ、「D-2A-金」型光電変換素子は対応する分子構造を持つ「D-A-金」型光電変換素子の約2倍の光電変換効率を示し、電子移動経路の増加が光電変換効率向上に寄与する事が明らかになった。また、この光電変換効率の向上には「D-2A-金」型光電変換素子のA部位間の電子拡散による逆電子移動抑止効果も寄与している可能性があると考えられるため、今後、より詳細な分光学的評価を行う必要がある。
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