Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度は,水分子の配位した遷移金属錯体(アコ錯体)の反応性を検討した.前年度に合成と構造解析を行った,無水の二価のサマリウム,ユーロピウム,クロム錯体と水分子の反応性,さらに生成するアコ錯体の反応を調べた. 二価サマリウム錯体と水分子の反応を検討した.サマリウム錯体に加える水の量により,生成する錯体構造が変化することを紫外-可視吸収スペクトルにより解明した.加えた水分子はサマリウムに配位し,アコ錯体が生成するが,溶液中で解離したまま存在する水分子も存在することがわかった.すなわち,水分子は金属へ強固に配位するのではなく,有機溶媒中では解離することも明らかになった. さらに,二価クロム錯体,CrCl2(dmf)(DMF=ジメチルホルムアミド),CrCl2(tmeda)(dmf)(TMEDA=テトラメチルエチレンジアミン)と水との反応では,クロム錯体が低配位の配位不飽和化学種であるにもかかわらず,クロムへの配位が起こらないことがわかった.すなわち,水分子は中心金属の違いにより,強固に配位する場合と,ほとんど配位せず配位圏外に存在する場合があることがわかった. このように,いくつかの金属錯体と水分子との反応を検討し,金属元素の違いにより有機溶媒中で水が異なる挙動を示すことを明らかにした.
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