Project/Area Number |
11740405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
川上 淳 弘前大学, 理工学部, 助手 (60261426)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 蛍光 / センサー / 生体 / 金属イオン / 分子認識 / エキサイプレックス発光 / エキシマー発光 |
Research Abstract |
本年度は、種々の金属イオンや内分泌撹乱物質(環境ホルモン)をターゲットとし、新規蛍光性化学センサーの合成とその有用性についての検討を行った。 1.ポリエーテル鎖の両末端に、ナフタレン環を、エステル又は、アミド結合でつないだところ、エステルの系では、カルシウム、バリウムイオンに対して大きな蛍光変化(ナフタレン由来の発光の減少とエキシマー蛍光の増大)が観測されるのに対し、アミド結合でつないだ系では、カルシウム、バリウムイオンに対しても蛍光変化が見られるものの、マグネシウムイオンに対しても、大きな蛍光変化を示すことがわかった。また、スペーサーの長さや種類を変えることにより、金属イオンの選択性に対して、ある程度調整可能であることがわかった。 2.アミドの系では、ナフタレン環1個の系でも、マグネシウム、カルシウムイオンによる蛍光変化を示すことがわかった。これは、エステル系では見られない現象である。理論計算から、アミドの系では、カルボニル酸素とナフタレン環のπ電子により金属イオンを捕足できることがわかり、大きな蛍光変化は、LMCTによるものではないかという結論に達した。 3.液体膜輸送実験において3つのピリジン環をもつピリジンポダンドが、完璧な銀イオン選択性を示すという論文に基づき、このピリジンポダンドに2つのナフタレン環を導入したものを合成し、現在、銀イオンの蛍光センサーとしての有用性について検討しているところである。 4.内分泌撹乱物質に一つと考えられているフタル酸エステル類をターゲットに研究を行った。その結果、エステル交換反応により、2つの発色団をフタル酸エステル類に導入できれば、エキシマー発光により、フタル酸エステル類を認識できるといことがわかった。環境問題は、世界的な問題であり、内分泌撹乱物質のセンシングは、今後更に必要となってくるものと考えられ、重要な研究課題と言える。
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