Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1)16-クラウン-5誘導体による金属イオンの溶媒抽出における置換基効果:15,15-ジメチル-16-クラウン-5による種々の金属ピクリン酸塩のベンゼン/水間抽出平衡を定量的に研究した。このクラウンエーテルが,先に研究された他の16-クラウン-5誘導体[16-クラウン-5および15-(2,5-ジオキサヘキシル)-15-メチル-16-クラウン-5]に比べて,抽出能は劣っているものの,抽出選択能においては優れていることを見出した。さらに,全抽出平衡を,それを構成する素平衡[クラウンエーテルの二相間分配,水中での錯イオンの生成,錯イオンとピクリン酸イオンによるイオン対抽出等]に分割し,それぞれの平衡定数を決定した。これにより,クラウン骨格上の置換基(メチル基および2,5-ジオキサヘキシル基)が抽出能・抽出選択能に及ぼす効果を,初めて素平衡レベルで解明した。 2)大環状クラウン類の錯生成特性と溶媒効果:環の大きさが異なる一連のジベンゾクラウンエーテル[ジベンゾ-3m-クラウン-m(m=6,8,10)]について,水および非水溶媒中におけるアルカリ金属イオン(Na^+,K^+,Rb^+,Cs^+)との錯生成定数を,電気化学的手法により系統的に測定した。これにより,これらのクラウンの錯化の選択性が溶媒に強く依存することを明示するとともに,「大環状配位子の錯化の選択性はその空孔と金属イオンとのサイズ適合性によって決まる」という従来の概念が成り立たないことを証明した。さらに,錯イオンの異種溶媒間移行活量係数を算出することにより,錯生成反応に及ぼす溶媒効果を定量的に解明した。
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