海草混合群落の空間構造の変動に対する栄養成長と種子繁殖の相対的重要性の解明
Project/Area Number |
11740425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲岡 雅裕 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90260520)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 海草 / 空間分布 / 生長 / デモダラフィー / 繁殖戦略 / 種間関係 / 種子繁殖 / 動物と植物の相互作用 / デモグラフィー |
Research Abstract |
本研究では、海草藻場の空間構造の変動に対する海草の栄養成長と種子繁殖の効果を、定量調査、野外実験およびモデル解析により明らかにすることを目的とする。本年度は下記の項目について成果が得られた。 1:海草藻場の空間構造と動態の定量的解明:前年度に設置した岩手県大槌湾・船越湾の海草藻場調査域において、主要構成種であるアマモとタチアマモの動態を解析した結果、種子生産量、種子埋土量および実生の発芽率はアマモの方が高いことが判明した。これは、撹乱により生じたギャップにアマモが先に侵入しやすいことを示するが、海草藻場の追跡調査によってもこの点が確認された。また、栄養生長については、光資源の少ない深い水深帯に生育するタチアマモが、浅い水深帯のアマモと同等の一次生産量を持つことが明らかになった。 2:種間相互作用に関する実験的解析:アマモとタチアマモの移植実験を行った結果、水深帯により種間相互作用の様式が異なることを示すデータが得られた。この変異には光・栄養塩・撹乱の各要因が複合的に関与していることが示唆された。また、植食性動物の効果について、種子食者であるタナイスの摂食量を室内実験で検討した結果、タチアマモに対する影響が強いことが確認され、前年度に示した両種の種子食害率の変異をもたらす要因が解明された。 3:モデルによる海草藻場空間構造の動態解析:以上のデータに基づいて海草2種の動態をシミュレーションモデルにより解析したところ、空間構造および種子繁殖量の変異の効果を取り入れることにより、両種の共存する水深帯が拡大することが予想された。この結果は、実際の海草藻場における両種の分布と一致しており、両種の共存において、海草藻場の空間構造と、種による栄養成長と種子繁殖の相対的重要性の変異が重要であることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)