免疫化学的手法によるゼラチン質プランクトン捕食魚類の食性研究
Project/Area Number |
11740426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 淳 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10282732)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ゼラチン質プランクトン / 免疫化学的手法 / 魚類食性 |
Research Abstract |
1.ゼラチン質プランクトン抗体の作製:刺胞動物3種と被嚢動物4種を採集後,体の一部または消化管内容物を除いた体全体をホモジナイズし,遠心分離(20800G,30分)を行ない蛋白抽出液(抗原)を得た.抽出液とFreundの完全アジュバンド(FCA)を1:1で混合したエマルジョンを作成し,ウサギの皮下に注射した.オクタローニー法によりウサギ血中の抗体価の上昇を確認した上で,採血を行ない血清を分離した.プロテインAカラムにより抗体(IgG)を精製し,その一部に対してビオチンを結合させ,酵素免疫学的手法による分析に用いた.得られた抗体はオクタローニー法により抗原のゼラチン質プランクトンとは明瞭な反応を示し、抗体の作製に成功したことが確認された. 2.ウエスタンプロッティングによる特異性の確認:得られた抗体の特異性を確認するため,抗原以外の様々な動物プランクトン(カイアシ類,オキアミ類,ヤムシ類,エビ類,魚類など非ゼラチン質動物プランクトンとゼラチン質プランクトン数種)の蛋白質試料を作成し,SDS-PAGEの後,PVDF膜に転写し,酵素抗体法(ABC法)により交叉反応の有無を調べた.交叉反応は刺胞動物ではAtollaとPeriphyllaで,被嚢動物では4種すべての間で見られた.また,刺胞動物と被嚢動物との間には認められなかった,さらに,甲殻類など他の動物群の蛋白に対しては,すべての抗体で交叉反応はみられなかった.以上のことから,用いた抗体は少なくとも他の動物群と刺胞動物,被嚢動物の識別には利用できると考えられる. 3.魚類および端脚類を用いた食性判定:大槌湾で採集されたマンボウおよび浮遊性端脚類数種を用いて、開発した抗体を用いた免疫染色を行った。マンボウの消化管内容物はいずれの抗体にも染まらなかったが、浮遊性端脚類の特にタルマワシ類では、被嚢類由来の抗体に明確に反応が出たことから、これらの端脚類が被嚢類を利用しているということが確認された。採集時に得られた試料は被嚢組織の研究、ならびに大型動物プランクトンの分布研究にも用いられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)