Project/Area Number |
11750005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣田 憲之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (10302770)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 磁気力 / 磁気アルキメデス浮上 / 磁気浮上 / 自由表面液体 / 結晶成長 / 疑似無重力 |
Research Abstract |
近年比較的容易に得られるようになった10T級の強く急峻な磁場勾配の下では、これまで非磁性と考えられてきた反・常磁性の物質に対しても大きな磁気力が作用する。普及型の10T超伝導磁石でも、10気圧程度の高酸素圧環境下では水の浮上が可能であること(磁気アルキメデス浮上)が研究代表者らのグループにより見出されており、本研究ではこの磁気アルキメデス浮上法を用いて自由表面を有する液体からの結晶成長を評価する事を目的としている。これまでに強磁場中という使用環境も考慮し、アルキメデス浮上中の液滴観測システムの構築を行ない、さらに、試料空間の温度コントロール機構を試作した。これらを利用して、硝酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化アンモニウムなどの無機塩、リゾチームやNPPなどの有機物に関し磁気的浮上状態からの再結晶過程を観測した。その結果、磁気浮上により無容器でのプロセスとなったことに起因して、物質によって程度の差はあるものの、核形成が起こりにくいために再結晶に必要となるか飽和度が上昇する事、揮発性の高い溶媒の場合には、表面からの蒸発により析出が誘起されるケースがあることが明らかとなった。また、磁気浮上状態、あるいは磁場勾配下でのプロセスである事に起因して、溶液と析出した結晶の密度及び磁化率の差により、析出した結晶の安定位置が決まるため、結晶の沈降が起こる事が明らかとなった。結晶の析出が浮上液滴の表面近傍で起こった場合、それがしばらくその位置に表面張力で保持される現象も観察されており、その詳細な挙動に関しては、析出結晶の方向性も含め、今後、さらなる評価・解析が必要になると考えられる。これらの結果は、今後、磁気浮上、あるいは、微小重力環境などにおける無容器結晶成長を検討してゆく上で有益な知見であると考えられる。
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