リアルタイム光電子分光法によるシリコン熱酸化過程の研究
Project/Area Number |
11750023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
遠田 義晴 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20232986)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | シリコン酸化膜 / 光電子分光 / 内殼準位 / リアルタイム / 熱酸化 / 半導体 / 放射光 / その場観察 / 内殻準位 |
Research Abstract |
本補助金の研究で得られた新たな知見を以下に述べる。 1.シリコン初期熱酸化におけるドライ酸化(酸素)とウェット酸化(水蒸気)の違い 室温から300℃程度の比較的低温での酸化に関し、酸素は酸化反応を起こすのに対し、水蒸気では解離吸着した表面水素が保護膜となり酸化反応を抑制することがわかった。400℃以上の比較的高温での酸化に関しては、酸素と水蒸気で大きな違いは見られなかったが、同条件で酸化させたときの酸化速度は酸素の方が大きいことがわかった。 2.原子状酸素と分子状酸素による酸化の違い 酸化中のSi 2p内殻準位をリアルタイム光電子分光により測定した。表面第一層の酸化において両者に大きな差は見られなかったが、第二層以下の酸化に関しては、分子状酸素に比べ原子状酸素の方が酸化の進行が極めて大きいことがわかった。この理由は、表面第一層が酸化され表面全体が酸化膜で覆われるとこれが保護膜となり、この表面状態での分子状酸素と原子状酸素の反応性の違いが顕著となったためと考えられる。 3.酸化反応の面方位依存性 Si(100)とSi(111)表面とで酸化反応の面方位依存性をSi 2p内殻準位により調べた。基本的に両表面の酸化過程は同じ振る舞いを示したが、サブオキサイドの配分比率で差異が見られた。 4.水素終端シリコン表面の熱酸化 室温では、無終端表面に比べ水素終端表面は極めて安定で酸化されにくいことがわかった。300℃以下の領域でも水素終端表面は酸化保護膜として機能するが、時間の経過とともに酸化が進行した。水素終端構造におけるモノハイドライドとダイハイドライドの酸化抑制の程度に違いは見られなかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)