超音波スクラッチ原子間力顕微鏡の開発とナノ・トライポルミネッセンスの観察
Project/Area Number |
11750053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied physics, general
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岩田 太 静岡大学, 工学部, 助手 (30262794)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | AFM / マイクロトライボロジー / 超音波加工 / マイクロマシニング / ナノスケール加工 / ナノ加工 |
Research Abstract |
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は極細な探針を用いて高分解能で物質の表面性状を観察できる顕微鏡である。特にSPMの探針と試料間に生じる摩擦現象はたいへん興味深く、マイクロトライボロジー(微小領域の摩擦や摩耗に関する研究として盛んに研究されている。しかしながら通常の原子間力顕微鏡(AFM)測定では主に表面形状や摩擦力のみの観察である。そこで本研究ではAFMに超音波振動子を組み込むことにより、高速で高いエネルギーを有する超音波振動等を利用した新たなマイクロトライボロジー現象の観察を行った。 研究成果 SPM技術としてこれまでに開発してきたシステム技術を利用し、これと超音波振動子を組み合わせマイクロトライボロジーやマイクロ加工を目的とした装置を開発した。探針にダイヤモンドチップやアモルファスカーボンをスパッタしたチップを用いることで振動状態でも安定したスクラッチ加工が可能であることを確認した。超音波振動について横振動モード及び縦振動モードを用いたナノスケールの切削加工法を実現した。通常、ポリマー表面は粘弾性で加工が困難であるが振動させる適切なパラメータを設定することで軟らかいポリマー表面を制御性よく平坦に加工できることを実証した。特にこの手法はDNAといったナノスケールの生体試料の加工も可能であることを確認した。また、硬い金属表面でも弱い力で制御性よく加工することが可能であった。また、これらの加工後をSPMによる弾性評価を行ったところ、残留応力のない理想的なナノスケール加工ができていることも確認した。また、超音波振動子によるポリマー試験片のナノスケール疲労試験を行い、ポリマー表面が疲労過程で内部にナノスケールのボイドが形成され表面形状を変化させること、また、これらの影響でマイクロトライボロジー特性が大きく変化することが分かった。超音波振動子とSPMを組み合わせることでナノスケールでの様々な世界が開ける可能性があり、今後もナノスケールの計測加工を継続する予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)