Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本年度は,以下の項目を実施した. Sn-3.5Ag-0.75Cu鉛フリーはんだの疲労特性の調査:Sn-3.5Ag-0.75Cu材を用いた,雰囲気温度,ひずみ振幅など負荷条件が異なる引張・圧縮繰返し負荷による疲労実験を行い,その疲労寿命に対する負荷条件の影響について調査した.Sn-3.5Ag-0.75Cu鉛フリーはんだの疲労寿命評価法の検討:上記疲労実験より得たSn-3.5Ag-0.75Cu材の疲労寿命と,非弾性ひずみ振幅,および非弾性エネルギ密度の関係式を導出し,負荷条件が異なるSn-3.5Ag-0.75Cu材の疲労寿命を評価する方法について検討した. Sn-3.5Ag-0.75Cu鉛フリーはんだの弾性・塑性・クリープひずみ分離法の検討:電子パッケージはんだ接続部の有限要素法などによる数値解析には,1種類の負荷,例えば,純粋引張りにより発生するひずみを弾性,塑性,クリープひずみの和で表す弾塑性クリープ解析を用いることが多い.しかし,現在のはんだ接続部における弾塑性クリープ解析に使用する材料定数は,引張試験,クリープ試験と負荷の種類が異なる複数の実験により決定されており,この手法で決定した材料定数を用いた数値解析は,実現象を忠実に表した解析とは言い難い.そこで,本研究では,引張負荷を受ける,はんだ材のひずみを弾性,塑性,クリープひずみに分離し,引張試験のみで弾塑性クリープ解析に用いる材料定数を決定する手法について検討した. Sn-3.5Ag-0.75Cu鉛フリーはんだの構成モデルの汎用有限要素解析ソフトへの組込み: 報告者がこれまでに構築した粘塑性構成モデルの汎用有限要素法解析ソフト(ANSYS)への組込みを試みた.そして,Sn-3.5Ag-0.75Cu材の純粋引張り,引張・圧縮繰返し負荷変形挙動の弾塑性クリープ解析によるシミュレーションを,上記手法により決定した材料定数を用いて試みた. 上記検討項目を実施することで,以下の結論を得た. (1)引張・圧縮繰返し負荷によるSn-3.5Ag-0.75Cu材の疲労寿命と,非弾性ひずみ振幅,および非弾性エネルギ密度の関係は,雰囲気温度などの負荷条件が異なっても,いずれも高い相関係数で定式化できる. (2)引張試験から決定した材料定数を,粘塑性構成モデルを組込んだ汎用有限要素法解析ソフト(ANSYS)に用いた弾塑性クリープ解析によるシミュレーションは,Sn-3.5Ag-0.75Cu材の純粋引張り,引張・圧縮繰返し負荷実験における変形挙動を的確に表せる.
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