Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究では,層間高靭化型の繊維強化プラスチックス積層板について,層間樹脂層厚さを変化させることによる層間はく離き裂伝ぱ特性の向上を目的として,数値シミュレーションを援用した最適層間厚さの探索システムについて検討した.はじめに,一方向炭素繊維強化高靭性エポキシ積層板を試験材料として,モードI(開口型),モードII(せん断型),および混合モードI+II負荷の下で層間はく離疲労き裂の伝ぱ試験を行い,き裂伝ぱ下限界エネルギ解放率に及ぼす層間樹脂層厚さの影響を実験的に明らかにした.層間の樹脂層が厚く,かつモードII負荷の割合が大きい場合に,き裂伝ぱにつれてき裂伝ぱ抵抗が著しく増大することを明らかにし,その原因として従来より提唱されているき裂先端塑性域の発達だけでなく,き裂上下面のインターロッキングによるき裂面周辺樹脂の著しい塑性変形が影響していることを明らかにした.ついで,繊維,マトリックスおよび層間マトリックス層を区別したメゾメカニックス複合材料モデルを提案し,有限要素法あるいは境界要素法による数値解析を可能とした.このメゾメカニックス複合材料モデルを用いた弾塑性有限要素法によって,モードI,モードIIおよび混合モード負荷の下でのき裂先端塑性域の形状・寸法の解析を行い,層間樹脂層厚さの影響を検討するとともに,弾性応力分布を基にした塑性域寸法の簡便予測法を提案した.この簡便予測法を用いることによって,き裂先端での塑性変形によるエネルギ散逸を精度良く予測することが可能となった.さらに,き裂面インターロッキングによる樹脂塑性変形の予測モデルを提案し,実験結果との比較による検証を進めつつある.
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