Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1.大小二種類の結晶粒径を有する圧延鉄膜材の疲労試験を行った.その結果,結晶粒径の小さい膜材ではき裂は粒界を,大きい膜材では粒内を伝ぱしており,結晶粒径の大きい膜材では,負荷方向が圧延方向と平行な膜材の方が垂直な膜材よりもき裂伝ぱ速度が高速であり,両者のき裂伝ぱ形態にも顕著な相違が見られた.電子線後方散乱回折法を用いて結晶配向性を測定したところ,熱処理後も圧延による配向性が残っており,その配向性の特徴より,き裂が圧延方向と同一方向,あるいは直交方向に伝ぱする場合で,き裂周辺でのすべり変形挙動が異なることを明らかにした. 2.膜厚100μmの冷間圧延銅膜材に対して,種々の温度で焼なましを行い,組織観察と結晶方位測定を同時に行って,冷間圧延された銅膜材の納入材では明瞭な圧延集合組織が存在するが,焼なましを行うとこれらの配向性はほとんど消滅することを示した.また,銅膜材では鉄膜材に比べてより低い温度で結晶粒が成長し,膜厚方向に結晶粒が一つしか存在せず,結晶粒の配置が二次元的になりやすい現象や,鉄膜材と比較すると焼なまし双晶が生じやすいことを示した.次にこれらの銅膜材の疲労試験を行い,銅膜材では,焼なまし双晶で生じたすべりをき裂が伝ぱするので,鉄膜材に比べてき裂が直線的に伝ぱすることを示した.また疲労試験後におけるき裂周辺の結晶方位解析の結果,き裂周辺では結晶粒が微細化している可能性が高いことがわかり,鉄膜材とは異なる種々の疲労特性が明らかになった.なお,これらのミクロ組織の相違および疲労に伴う銅膜材の電気抵抗変化に関しては,顕著な現象が現れなかったが,今後,測定法を改良して,より高精度の電気的特性の測定を行う予定である.
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