分子動力学法による電解質水溶液への水蒸気吸収過程に関する研究
Project/Area Number |
11750154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大宮司 啓文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (10302754)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 吸着 / 吸収 / 気液界面 / 電解質水溶液 / ノーマルアルコール / 界面活性剤 / 分子動力学 |
Research Abstract |
電解質水溶液表面に界面活性剤が吸着していると、水蒸気吸収の際に界面攪乱が発生し、水蒸気吸収量が飛躍的に増加する現象がある。マクロスケールでは一般に表面張力駆動流(マランゴニ効果)と説明されるが、どのような物質が効果的に界面攪乱を引き起こすか、あるいは攪乱に繋がる「揺らぎ」がどのようなメカニズムで発生するか等を明らかにするためには、分子スケールでの吸着の描像を明らかにすることが重要である。本研究においては、水に吸着するノーマルアルコールについて、炭化水素鎖の長さ、アルコール濃度、イオン濃度をパラメータとして分子動力学シミュレーションを行った。分子の詳細なモデルよりも分子集団としての性質に重要な特徴があると考え、分子モデルの決定よりも大規模分子集団の計算に重点を置いた。分子シミュレーションは、直接に分子スケールの実験結果と比較検討する役割だけでなく、マクロな系とどのような繋がりがあるかを明らかにする役割もある。様々な条件における平衡系での計算結果を熱力学的視点から考察することにより、どのような条件においてノーマルアルコールが水面上に不均一な分布を作り、攪乱へと成長していく可能性があるかを明らかにした。また、イオンの存在が吸着の構造的・動的性質に与える影響について明らかにした。大型計算機の発達により計算機上で不均一・非等方系の計算を行うこと、あるいは非平衡の計算を行うことは可能になりつつあるが、そこから定量的に意味のある結論を導き出すことは未だ困難である。大型計算機に適した計算コードの開発とともに計算結果の解析手法の開発も同時に行う必要があり、本研究においてはその一例を示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)