Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
直接内部改質式溶融炭酸塩型燃料電池における気相汚染された触媒の再生法を見いだすために,昨年度試作した水蒸気添加可能な熱天秤型反応装置を用いて,実機DIR-MCFC雰囲気ガスによる汚染触媒中のKOH挙動について検討を行った. 実機ガスであるCH_4/H_2O混合ガスを供給すると,バスケットに充填した汚染触媒の触媒反応により触媒周囲のガス雰囲気が供給ガスと異なるため,KOH挙動がどのガス組成により影響を及ぼすかは不明である.そこで本年度は,昨年度試作した装置に,ガス分析が行えるようにガスサンプリングの機能を付加して検討を行った.その結果,以下のようなことを明らかにした. 1.触媒反応はCH_4+H_2O→CO+3H_2であるために,汚染触媒中のKOHはK_2CO_3に変化することなく汚染触媒から蒸発させることができる. 2.触媒反応後,気相においてCO+H_2O→CO_2+H_2のシフト反応により,触媒から蒸発させたKOHが下流側の触媒表面上でK_2CO_3に変化して付着する. 3.蒸発させたKOHがK_2CO_3に変化して付着するか否かは,供給ガス中のH_2O濃度が大きく寄与していることを示唆できた. 4.実機DIR-MCFCにおいて,触媒反応を生じさせていれば電極から飛散してくるKOHの付着は,触媒反応による生成物(CO,H_2)により防ぐことはできるが,気相反応で生じるCO_2によって触媒表面にK_2CO_3として付着し,汚染を生じる可能性を示唆できた. 5.実機DIR-MCFCを運転する際に,常に触媒反応を生じさせておけば気相汚染から触媒を守ることは可能であるが,電池保存モードのような触媒反応を生じさせず,がつ,低流速でCO_2濃度が高い運転条件に保つと,触媒からの生成物の吹き出しが無くなり気相汚染を招くことになることを示唆できた. 今後,上記で得られた成果を元にガス組成などを更に細かく変化させて実験を行うことで,実機DIR-MCFCの最適な運転条件および触媒の充填方法などを提案して行く予定である.
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