Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
1.非ホロノミック視覚サーボ系の制御理論的定式化…本研究では,非ホロノミック拘束を受けるロボットにカメラを取りつけ,環境を観測してロボットを制御する.したがって,環境の画像を画像特徴量を用いて情報を縮約すると,視覚サーボ系のモデルはロボットの位置・姿勢の変動と特徴量の時系列を関係付ける非線形微分方程式となる.一方,ロボットが非ホロノミックな拘束を受けて運動するとき,その拘束は不可積分であるため状態を低次元化することはできない.したがって,制御対象を非ホロノミック拘束つきの非線形微分方程式で表現した. 2.幾何学的構造の解明…1.で得られた微分方程式の拘束条件の幾何学的構造を解析することを試みた.まず,ロボットの運動に課せられる非ホロノミック拘束を特徴量の動きに変換した.特徴量の動きにかかる拘束の幾何学的意味を解明することはできなかったが,画像平面内でフィードバックループを閉じる制御系,すなわち,ロボットの位置・姿勢を計測せずに完全に画像フィードバックのみで制御するロボット制御系を構成することが可能となった.また,拘束を画像平面内で解析することにより,本制御問題が「画像平面内での経路計画問題」の性質を有することが明らかになった. 3.幾何学的構造に基づく制御系設計…制御対象の幾何学的構造に着目し,幾何学的構造を積極的に利用するフィードバック制御器を設計する計画であったが,幾何学的構造の意味を完全には明確にできなかったため,画像平面内で近似的に線形化する制御則を構成した.この制御則は切り返しを発生するもので,スライディングモードと同様にモデルに対する不確かさや外乱に強いという特徴を持つ.また,ラジコン模型の自動車を用いた実験装置においては,精度のよいモデル化が不可能であるため,この特徴はきわめて有効である.さらに,完全な画像ベースの制御系を構成することができたため,ロボットの機構学的なモデル誤差の影響を受けない制御系が構成できた.これは本研究によって得られた全く新しい知見である.
|