Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究は,変位センサを使用せずに圧電アクチュエータ変位のヒステリシスを低減させ,簡易で高精度な位置決めシステムを実現することを最終的な目的とする.そのために,昨年度はアクチュエータの特性を詳細に調べ,その電気的状態・特性と機械的状態・特性との関係を実験的に明らかにした.さらに,アクチュエータに蓄積する電荷量と変位の関係から,ステップ駆動時の位置決め対象物の変位を推定する方法について検討した.圧電アクチュエータで位置決め対象物を高速に駆動した場合には,対象物が振動してアクチュエータに力を加える.そのため,ゆっくりと駆動させた場合と異なり,圧電効果によってアクチュエータに電荷が発生する.本研究では駆動対象の変位が,駆動アンプから流入する電荷と圧電効果により発生する電荷にそれぞれ独立に対応する変位の和で表されるとして取り扱った.その結果,電荷のステップ応答の一部を指数関数で近似して表すことにより,駆動対象物の変位を高精度で推定することができることを明らかにした.また,ステップ駆動時にパワーアンプからアクチュエータに流入する電荷量の時間応答が,指数関数で近似できることから,入力電圧に対する流入電荷量の伝達関数を導出し,正弦波駆動の際の変位の推定方法を新たに考案し,実験により,推定値と実変位の比較を行った.その結果,まだ,実際に制御系を構築するには推定精度面で問題はあるものの,計測電荷量から,アンプからアクチュエータへ流入する電荷量と,圧電効果によりアクチュエータに生じる電荷量を分離し,変位センサを使用せずに圧電アクチュエータを用いて連続的に位置決めする方法の実現に対して,原理的な指針を具体的に示すことができた.
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