Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
前年度に開発した複数マイクロプロセッサ・ボードによる実験システムを用い,多数の基本要素によって構成される自己相似構造にもとづく工学システムの自律分散的ふるまいについて研究を行った.先端に太陽電池パネルを持つ二分木型適応構造システムのモデルを構築し,太陽光の向きに応じて得られる総電力量を最大化するという適応的ふるまいのシミュレーションを実験システム上で実施した.様々な太陽光の向きに対して得られた適応形態は,一般の樹木のそれに類似していることが確認された.また,自己相似システムの長所の一つとして期待される部分的な故障に対するロバストなふるまいについても,実験システムの故障模擬機能を用いたシミュレーションを行い,システムの様々な部位の故障が他の部分のふるまいにより自動的に補われることを確認した. 構造最適設計への自己相似性の適用である「再帰的最適化」に関しても研究を行い,次のような成果を得た.構造最適設計問題に,形式的な自己相似性のみならず実質的な自己相似性を導入した場合について検討し,最適解の精度が若干低下するものの,計算コストを大幅に低減させることができる可能性を確認した.この効果は特に並列計算を行う場合に有用であることも示した.また,再帰的最適化手法のより一般的な形態の構造への適用について検討し,幾何学的制約条件を部分構造の退化によって満足する方法を示した. 現在,開発した実験システムの応用として,代表的な自律分散システムの例であるAGV(Automatic Guided Vehicle)の効果的な運用研究における実際的シミュレーションへの適用についても研究を行っている.
|