Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
前年度までの研究成果を踏まえ,本年度は実用的な規模,詳細度の各種モデル群を構築し,実規模配電系統全体の過渡計算を行うプログラムを開発した.また,比較的大規模な解析プログラムとなったため,使いやすさを追求してユーザインターフェースの開発にも取り組んだ.具体的には,以下のとおりである. 1.実際の配電系統(山口県内のある自治体に対応)のモデル化 2.分散型電源として用いられる電源のモデルを整備(同期機コージェネレーションシステム,燃料電池など) 3.上記2の各電源に付随する制御機器,保護システムなどのモデル化 4.上記2〜3にて作成したモデルの整合性を確認 5.ユーザインターフェース(支援システムを含む)の構築 まず,ある電力会社の協力を仰ぎ,過去,実際に運用されていた配電系統の系統図を入手し,実規模配電系統モデルを構築した.前年度のモデルは単にインピーダンスを持つ線路とノードの集合であったが,本年度は多数の機器を含む実際に近いモデルの構築を行った.また,前年度作成した分散型電源本体モデルの整備,それらに組み込まれている制御機器,保護システムのモデル化を行い,各種モデルの実機との整合性を確認した.その結果,本研究の求める詳細度においては十分な精度を持つことが判明した.ただし,本研究にて構築してきたシミュレータは大規模なものとなり,そのデータの取り扱いもテキストベースのファイルを直接編集するという煩雑なものであった.そこで,使いやすさを追求するためグラフィカルなユーザインターフェースも構築した.これにより,モデルの調整やプログラム操作がきわめて容易になり,解析作業がわかりやすいものとなった.そして,本シミュレータを実規模配電系統モデルに適用し,実際にシミュレーション計算を行った.また,問題とされる単独運転に対する対策として,単独運転検出機能などを実装し,実際の配電系統での動作状況を模擬した.その結果,得られた結果は理論的に見て妥当なものであり,本シミュレータは様々な場面で活かせるものと思われる。
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