Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本年度は前年度に得られた知見をもとに高純度強誘電体薄膜作製プロセスを開発し,高純度Pb(Zr,Ti)O_3(PZT)薄膜を作製・評価するとともに,研究成果の総括を行った。 1.高純度強誘電体薄膜作製プロセスの開発 純度99.999%以上の超高純度MOCVD原料を用いて高純度PZT薄膜を作製できた。また,紫外光励起とO_3の組み合わせにより,PZT薄膜中の残留炭素を低減できた。さらにPbTiO_3シード層を用いた二段階成長法により,成長温度400℃,成長速度10nm/min以上の低温・高速成長を実現した。Ir系電極に関してもMOCVD法により,300℃前後の低温で酸素や炭素などの不純物を含まない高純度金属Ir電極が得られた。 2.高純度Pb(Zr,Ti)O_3薄膜の作製とその物性評価 上記1に示した低温・高速成長可能な高純度MOCVDプロセスにより,ほぼ100%の段差被覆性と2Prが17μC/cm^2の良好な強誘電性を示すIr/PZT/Irキャパシタが得られた。一方,MgO,Al_2O_3及びTiO_2薄膜をバッファ層としてSi基板上へPZT薄膜を作製した場合にも,強誘電性に起因するC-Vヒステリシスが得られ,バッファ層/半導体界面の電子的特性の劣化はほとんど見られなかった。 3.研究成果の総括 (1)超高純度MOCVD原料の採用,(2)紫外光励起,(3)PbTiO_3シード層による二段階成長を組み合わせることにより,高段差被覆性などの従来のMOCVDプロセスの利点を損なうことなく,低温・高速成長が可能で,かつ半導体基板へのダメージも少ない高純度MOCVDプロセスを実現でき,高品質Ir/PZT/Irキャパシタを作製することができた。これらの研究成果は本プロセスが既存のCMOS-LSIプロセスと融合可能であり,今後の不揮発性強誘電体メモリの高集積化にも適用可能であることを示している。
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