Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
マイクロ波素子は携帯端末の小型化に伴って、低背化が進み平面化している。したがって、高周波回路の基本素子であるコプレーナ型共振器を10mm角の酸化物超伝導薄膜(YBCO)を製膜したMgO基板上に製作した。また、それらを組み合わせたコプレーナ型バンドパスフィルタを設計した。なお、中心周波数は、移動体通信で用いられる2GHz付近とした。完全平面型にするために、インターディジタルギャップ型容量を回路パターンで実現した。また、伝送線路は小型基板上への配置のために、メアンダライン型とした。電磁界シミュレータを用いて、インターディジタルギャップの容量を正確に計測した。その結果、ギャップ長とJインバータ値との関係は、ほぼ直線的であったので、所望のJ値を得るためには、得られた結果から一義的に決定できることが明らかとなった。また、メアンダ線路の曲げ半径を小さくすると、線路のスロープパラメータが著しく変化することが明らかになった。これにより、より小型化する際には、線路のスロープパラメータをあらかじめ測定しておく必要があるということも明らかとなった。さらに、電磁界シミュレータによりバンドパスフィルタの多段化を行った。また、プロトタイプのフィルタとして、YBCO薄膜を用いて段数3、帯域幅15MHzの超伝導バンドパスフィルタを作製し、低温において高周波特性を評価した。
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