Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
我々は,画像において品位と称されるものを高度感性情報と定義した上で,電子ディスプレイを中心に構成する画像表示システムによって高度感性情報を再現することを目的としている.そこで,本研究においては,先の目的を達成するに必要不可欠である高度感性情報の再現を正確に評価するための客観評価尺度の確立を目指し以下の検討を行った. 1.主観評価:画像の品位(芸術的印象)を表す複数の画像評価語を収集し,Dematel法を適用することで各評価語間に階層的な関係があることを明らかにした.次に,得られた階層構造に階層分析法を適用することにより,総合評価との相関が強く,且つ,品位に基づく画質の変化を準定量的に評価可能な評価語が,「奥行き感」であることを明らかにした.その結果を受けて,画質評価に重要な意味を持つkey評価語「奥行き感」と関係の深い評価語群を抽出し,各評価語に対して影響を及ぼす画像の基本構成要素および画像表示システムの物理要因を明らかにした.そのちの6つの重要な物理要因を改善した画像表示システム(Extra High Quality Imaging System)を開発し,本システムと写真や絵画を含も高品位画像データベースを用いて,「奥行き感」を含む上記評価語群に基づいた画質評価実験を行った.この評価結果は,客観評価尺度を定義する際に行う重回帰分析の目的値として用いられる. 2.客観評価:まず,高度感性情報の再現とは立場を異とするが,客観評価尺度の定義という意味において,MPEG動画像の符号化歪を評価するための画質評価尺度の検討を行った.本研究においては,符号化特有の個々の歪を基本歪要因として定式化し,符号化画像から算出するこれらの値を主成分分析,主観評価結果との重回帰分析を行うことで,画質評価尺度を定義した.結果は,主観評価結果に対しておおよそ0.8の相関値をもつ画質評価尺度が得られた.高度感性情報伝達の評価においても,ここで提案した同様の手法が適用できると考えられる.重回帰分析の主観評価値は,上述したように既に求められている.符号化の場合の基本歪に相当する部分については,生理反応を利用する.そこで,本研究においては,文献調査の結果,画像の品位に関係があるであろうと考えられる脳波(α波)と呼吸周期に注目して,画質の変化を許したときの両者に対する測定実験を開始した.予備実験の段階ではあるが,両者共に,画質の優劣,すなわち,高度感性情報の再現度には関係があることを明らかにした.
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